
公共事業を施行するにあたり、土地を取得したり建物等を移転したりする必要が生じた場合、国、地方公共団体等の公共事業の施行者は土地所有者や建物所有者等に対して「正当な補償」(憲法第29条第3項)を行います。このような場合に生ずる損失の補償やそれらに関連する業務を、国・地方公共団体等の起業者から受注したり、請負ったりする者を補償コンサルタントといいます。
補償コンサルタント業務については、補償コンサルタント登録規定によって以下の8つの部門に分かれています。



公共事業や民間の工事にかかわらず、建築工事・解体工事、護岸工事、上下水道工事など様々な工事による影響で近隣に損失を招くことがあります(一般に事業損失=事損、工事損失=工損と言います)。
例えば、工事による地盤変動に伴う建物の沈下、工事の振動による門扉や塀などの亀裂や倒壊、建物の内外装への亀裂、建具の開閉不良。また掘削工事による井戸の水質汚濁、水枯渇などの損害を被ることが考えられます。

工事業者はこのような損害を与えないよう細心の注意を払って施工を行いますが、工事は実際何が起こるか分かりません。もし損害を与えた場合、その損傷が本当に工事による影響なのか、従前からあったものなのか家屋調査を行っていなければその因果関係の判断がつきません。またその様な損害が社会通念上受忍の範囲を超えた場合、損害賠償しなければなりませんが、家屋調査を行っていなければ資料が無いので損害の範囲を特定できません。

石綿(アスベスト、せきめん、いしわた)とは、天然の繊維状けい酸塩鉱物です。語源は、ギリシャ語でasbestos(永久不滅)を意味します。アスベストは単体で高抗張力、不燃性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、耐久性、耐腐食性、親和性など多くの性能を持つ有用な工業材料として多くの建材に大量に使用されました。
しかし、飛散したアスベストの粉塵ばく露によって石綿肺や肺がん、中皮腫などの疾患の関連性が示唆されております。
一般的にアスベストと言えば、鉄骨等に不燃材として吹き付けてあるものを想像しがちですが、建材として使われたアスベストの7割は屋根材であるスレートに使われました。また、石膏ボードやビニールタイル、窯業系サイディングなどにも使われ、最終的に使用禁止となる平成16年までの建物にはその使用の可能性があります。
当社では既存建物のアスベストの管理や改修方法、解体前の第一次スクリーニング(事前調査)、第二次スクリーニング(現場調査)をお手伝いします。