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アスベスト診断業務

アスベスト(石綿)とは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物の特定のものを言い、法的には繊維状を呈しているアクチノライト、アンソフィライト、アモサイト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライトとされています。

 

石綿には幾つかの種類がありますが、国内では、平成18年厚生労働省基発第0811002号「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令の施行等について」により、「石綿とは繊維状を呈しているアクチノライト、アンソフィライト、アモサイト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト」と定義されています。また、ILO(国際労働機関)では、「石綿とは岩石を形成する鉱物の蛇紋岩および角閃石グループに属する繊維状の無機けい酸塩」と定義され、国内と同様に前述の6種類に分類されています。

 

アスベストは単体で高抗張力、不燃性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、耐久性、耐腐食性、親和性など多くの性能を持つ有用な工業材料として多くの建材に大量に使用されました。しかし、飛散したアスベストの粉塵ばく露によって石綿肺や肺がん、中皮腫などの疾患の関連性が示唆され、近年社会問題化しております。そのため解体する建物だけでなく、現存する建物についてもアスベスト使用の把握は必要となります。

 

なお、アモサイト、クロシドライトは有害性が高いことから平成7年4月に法的に禁止になりました。その後、一部の石綿製品(建材、摩擦材、接着剤)については平成16年10月1日から、さらに平成18年9月からは全面的に輸入・製造・使用等が禁止となりました(平成30年6月に石綿分析用試料等については解除)。

 

またアスベストはその作業において、3段階にレベル分けされております。

石綿障害予防規則

作業レベル

レベル1

レベル2

レベル3

建材の種類

吹付石綿
0.1重量%超石綿含有吹付け材
主にアモサイト

石綿含有保温材
耐火被覆材
断熱材
主にアモサイト、クロシドライト

その他の石綿含有建材
(成型板等)

発じん性

著しく高い

高い

比較的低い

具体的な箇所

耐火建築物等の鉄骨、梁、柱、
住宅等の壁、天井仕上げ材

ボイラー本体、配管、ダクト等の保温材、
建築物等の柱、梁、壁等に耐火被覆材、
断熱材として、屋根用折板裏、
断熱材、煙突用断熱材

天井、壁、床等の石綿含有建材、
成型板、ビニール床タイル、
屋根材としての石綿スレート等

作業レベル

レベル1

建材の種類

吹付石綿
0.1重量%超石綿含有
吹付け材
主にアモサイト

発じん性

著しく高い

具体的な
箇所

耐火建築物等の
鉄骨、梁、柱、
住宅等の壁、
天井仕上げ材

作業レベル

レベル2

建材の種類

石綿含有保温材
耐火被覆材
断熱材
主にアモサイト、
クロシドライト

発じん性

高い

具体的な
箇所

ボイラー本体、配管、
ダクト等の保温材、
建築物等の柱、梁、
壁等に耐火被覆材、
断熱材として、
屋根用折板裏、
断熱材、煙突用断熱材

作業レベル

レベル3

建材の種類

その他の石綿含有建材
(成型板等)

発じん性

比較的低い

具体的な
箇所

天井、壁、
床等の石綿含有建材、
成型板、
ビニール床タイル、
屋根材としての
石綿スレート等

※レベル分けは、除去する際の発じん量の多さで決まる。作業の危険度や撤去対象によって決まるわけではない。

※吹付け材は石綿含有不明の場合、必ず石綿有無の分析が必要。(法律義務)

※吹付け材以外の場合は、石綿有無の分析をせずに、石綿含有とみなして措置する時は分析の必要無し。

レベル1:撤去の様子
レベル2:保温材(エルボ部分)
レベル3:石綿含有成形板(石綿スレート、屋根と外壁)

アスベスト対策は、
なぜ事前調査が重要なの?

事前調査の目的

01

アスベストの有無で解体費用が異なります。適正な工事費用を見積もるために事前把握は必要です。

02

アスベストの有無で解体工事の内容、施工期間が変わってきます。的確な工程立案のためにも事前把握は必要です。

03

建物所有者は、アスベストが使用された建物を持っていても問題はありません。但し、石綿含有吹付け材等(LV1・2)に関しては建築基準法及び石綿障害予防規則に関連した処置が必要な場合があります。

アスベストは、倉庫、工場、事務所、商業・教育施設だけでなく、住宅を含め様々な建物で使用されています。さらに使用されている場所も鉄骨への吹付だけではなく、天井、壁、床などの建材や、機械配管の保温材などさまざまな形態・用途で使用されています。


仮に設計図面が残っていたとしても、実際の施工と異なる場合もあります。アスベスト禁止後、在庫処分のため隠れて使用された実例もあります。


そのため、事前調査を行いアスベストの使用状況を確認することが重要なのです。また大気汚染防止法の改正により、建築物等の解体等工事における石綿の飛散を防止するため、全ての石綿含有建材への規制対象の拡大、都道府県等への事前調査結果報告の義務付け及び作業基準遵守の徹底のための直接罰の創設等、対策を一層強化されました。


例)
・元請の事前調査結果の発注者への説明
・事前調査結果の記録の作成・保存(3年間)
・都道府県知事への報告(元請・自主施工者)・解体時の除去等措置、
 作業基準の遵守  等

アスベスト診断士とは?

当社ではアスベスト診断士の技術者を有しております。アスベスト診断士とは、既存建築物に使用されている石綿の管理方法、あるいは解体前の事前診断などの適切なアドバイスを行える人材の養成を目的として、一般社団法人JATI協会(旧社団法人日本石綿協会)が認定する資格者で、アスベストの専門家です。

アスベスト診断士の行う調査、
診断内容概要

どこにアスベストが
使用されているかの診断

書面(設計図書、施工図面など)による
第一次スクリーニング

まずは、設計図書(施工記録)を検証します。建物の種類や使用建材、施工年、施工部位などの違いにより石綿含有材料であるのか、そうでないのかの判断をします。特に使用建材の商品名が分かると正確な判断が可能です。判断できない不確定な部位に関しては「第二次スクリーニング」としての現場確認が必要です。

現場における第二次スクリーニング
第一次スクリーニングで調査を行った結果、石綿の有無が不明な場合は第二次スクリーニングとして現地調査を行います。分析が必要な場合は試料採取も行います。

信頼性の高い分析機関の選択、
分析内容判断

第一次、第二次スクリーニングの調査の結果、不明であった場合は、「分析調査」が必要となります。この場合、信用できる分析機関の分析が必要となります。

使用されているアスベストの
処理要否診断

アスベスト含有が判明した場合、その部位・材料によって適切な管理方法、処理方法にすいてアドバイスします。
解体工事に対する適正診断
解体工法が適正であるか、処理計画が妥当であるか適切なアドバイスを行います。